JestはJavaScriptのテストフレームワークとして広く利用されていますが、テストを実行する際に「expected value to be received but got undefined」というエラーに直面することがあります。このエラーは、テスト対象の関数が期待される値を返さず、undefined
を返している場合に発生します。
expected value to be received but got undefined
本記事では、このエラーの原因とその解決策について詳しく解説します。
1. エラーの原因を理解する
「expected value to be received but got undefined」というエラーは、主に以下のような原因で発生します。
- モック関数の設定ミス
- Jestでは、モック関数を使用して依存関係を模擬することが一般的です。しかし、モック関数が正しく設定されていない場合、テストが期待する値を返さず、
undefined
が返されることがあります。
- Jestでは、モック関数を使用して依存関係を模擬することが一般的です。しかし、モック関数が正しく設定されていない場合、テストが期待する値を返さず、
- 非同期処理の問題
- 非同期関数をテストする際、Promiseが解決される前にテストが終了してしまうと、
undefined
が返されることがあります。この場合、テストが非同期処理を正しく待機していないことが原因です。
- 非同期関数をテストする際、Promiseが解決される前にテストが終了してしまうと、
- 引数の不一致
- テスト対象の関数に渡す引数が正しくない場合、関数が期待する動作をしないことがあります。特に、引数が
undefined
や不正な値であると、エラーが発生することがあります。
- テスト対象の関数に渡す引数が正しくない場合、関数が期待する動作をしないことがあります。特に、引数が
これらの原因を理解することで、エラーの解決に向けたアプローチを考えることができます。
2. モック関数の正しい設定
モック関数を使用する際は、正しく設定することが重要です。
以下は、モック関数を正しく設定するためのポイントです。
- モックの初期化
- テストの前にモック関数を初期化することで、テストごとに新しい状態でテストを実行できます。これにより、前のテストの影響を受けずにテストを行うことができます。
- 戻り値の設定
- モック関数が返す値を明示的に設定することで、テストが期待する値を返すようにします。以下は、モック関数の設定例です。
import { myFunction } from './myModule';
jest.mock('./myModule', () => ({
myFunction: jest.fn(),
}));
beforeEach(() => {
myFunction.mockClear(); // モックのクリア
});
test('myFunction should return expected value', () => {
myFunction.mockReturnValue('expected value'); // 戻り値の設定
const result = myFunction();
expect(result).toBe('expected value'); // テスト
});
このように、モック関数を適切に設定することで、テストが期待する値を返すようにできます。
3. 非同期処理のテスト
非同期処理をテストする際は、Promiseが解決されるのを待つ必要があります。Jestでは、async/await
を使用して非同期処理をテストすることができます。
以下は、非同期処理のテスト例です。
import { fetchData } from './api';
test('fetchData should return data', async () => {
const data = await fetchData(); // 非同期処理の待機
expect(data).toEqual({ key: 'value' }); // 期待する値との比較
});
このように、非同期処理を正しく待機することで、undefined
が返される問題を回避できます。
4. 引数の確認とテスト
テスト対象の関数に渡す引数が正しいかどうかを確認することも重要です。引数が不正な場合、関数が期待する動作をしないことがあります。
以下は、引数を確認するためのテスト例です。
import { processInput } from './inputProcessor';
test('processInput should handle valid input', () => {
const result = processInput('valid input'); // 正しい引数を渡す
expect(result).toBe('processed valid input'); // 期待する結果との比較
});
test('processInput should throw error for invalid input', () => {
expect(() => processInput(undefined)).toThrow('Invalid input'); // 不正な引数を渡す
});
このように、引数の検証を行うことで、テストの信頼性を高めることができます。
5. デバッグのためのヒント
エラーが発生した場合、デバッグを行うことで問題を特定しやすくなります。
以下は、デバッグのためのヒントです。
- コンソールログの活用
- テスト内でコンソールログを出力し、どの値が返されているかを確認します。これにより、どの段階で
undefined
が返されているかを特定できます。
- テスト内でコンソールログを出力し、どの値が返されているかを確認します。これにより、どの段階で
- Jestのデバッグ機能を使用
- Jestにはデバッグ機能があり、テストをステップ実行することができます。これにより、テストの実行フローを追跡しやすくなります。
- エラーメッセージの確認
- Jestが出力するエラーメッセージを注意深く確認し、問題の原因を特定します。特に、どのテストケースでエラーが発生しているかを確認することが重要です。
6. まとめ
Jestで「expected value to be received but got undefined」というエラーが発生する原因は、モック関数の設定ミスや非同期処理の問題、引数の不一致などが考えられます。これらの問題を解決するためには、モック関数を正しく設定し、非同期処理を適切に待機し、引数を確認することが重要です。
また、デバッグを行うことで問題を特定しやすくなります。これらのポイントを押さえることで、Jestを使用したテストの信頼性を高めることができます。