JavaScriptを使用していると、時折「SyntaxError: Unexpected token」というエラーに遭遇することがあります。このエラーは、コードの構文に問題があることを示しており、プログラムの実行を妨げます。
この記事では、このエラーの原因を特定し、解決するためのトラブルシューティング手法を詳しく解説します。
1. SyntaxErrorとは何か?
SyntaxErrorは、JavaScriptエンジンがコードを解析する際に、予期しないトークン(記号やキーワード)に遭遇した場合に発生します。これは、コードがJavaScriptの文法規則に従っていないことを意味します。
例えば、括弧や波括弧の不足、誤ったトークンの使用などが原因です。
2. 一般的な原因とサンプルコード
以下に、SyntaxError: Unexpected tokenが発生する一般的な原因と、それに対するサンプルコードを示します。
2.1 括弧の不足
括弧が不足している場合、JavaScriptはどこでコードが終了するかを理解できず、エラーが発生します。
例:
function add(a, b) {
return a + b; // 正しい
}
function subtract(a, b {
return a - b; // 括弧が不足している
}
修正後:
function subtract(a, b) {
return a - b; // 括弧を追加
}
2.2 不適切なトークンの使用
不適切なトークンを使用すると、JavaScriptはそのトークンを理解できず、エラーが発生します。
例:
let result = 10 + ; // 不適切なトークン
修正後:
let result = 10 + 5; // 不適切なトークンを削除
2.3 セミコロンの不足
セミコロンが不足している場合、JavaScriptは次の行を正しく解釈できず、エラーが発生することがあります。
例:
let x = 10
let y = 20 // セミコロンが不足している
let z = x + y;
修正後:
let x = 10;
let y = 20; // セミコロンを追加
let z = x + y;
2.4 不正なJSONフォーマット
JSONを扱う際に、正しいフォーマットでない場合にもこのエラーが発生します。特に、キーがダブルクオーテーションで囲まれていない場合などです。
例:
let jsonData = {name: "John", age: 30}; // 正しい
let jsonData = {name: John, age: 30}; // 不正なJSON
修正後:
let jsonData = {"name": "John", "age": 30}; // 正しいJSONフォーマット
3. エラーの特定方法
エラーを特定するためには、以下の手順を踏むことが有効です。
3.1 エラーメッセージを読む
エラーメッセージには、エラーが発生した行番号や、問題のあるトークンが示されます。これを手がかりに、問題の箇所を特定します。
3.2 コードを段階的に確認する
エラーが発生している行だけでなく、その前後の行も確認します。特に、前の行での誤りが次の行に影響を与えることがあります。
3.3 コードエディタの活用
多くのコードエディタには、構文エラーをハイライトする機能があります。これを利用して、エラーを視覚的に特定することができます。
3.4 リンターの使用
リンターは、コードの静的解析を行い、潜在的なエラーを指摘してくれます。ESLintなどのツールを使用することで、SyntaxErrorを未然に防ぐことができます。
4. よくあるトラブルシューティングの手法
4.1 コードの整形
コードが複雑な場合、整形ツールを使用してコードを見やすくすることが有効です。これにより、括弧やセミコロンの不足を見つけやすくなります。
npx prettier --write yourfile.js
4.2 デバッグツールの活用
ブラウザのデベロッパーツールを使用して、エラーが発生している行を特定し、実行時の変数の状態を確認します。
4.3 小さなコードブロックでのテスト
大きなコードベースでエラーが発生している場合、小さなコードブロックに分けてテストすることで、問題の特定が容易になります。
5. まとめ
「SyntaxError: Unexpected token」は、JavaScriptの構文に問題があることを示すエラーです。括弧やセミコロンの不足、不適切なトークンの使用、JSONフォーマットの誤りなどが原因となります。エラーメッセージを読み、コードを段階的に確認することで、問題を特定し修正することが可能です。
また、リンターやコードエディタの機能を活用することで、SyntaxErrorを未然に防ぐことができます。これらの手法を駆使して、JavaScriptの開発をよりスムーズに進めていきましょう。