Jestを使用していると、「Expected value to be received but got undefined」というエラーに直面することがあります。このエラーは、テストが期待する値がundefined
である場合に発生します。
本記事では、このエラーの原因と対処法について詳しく解説し、サンプルコードを交えてわかりやすく説明します。
1. Jestの基本とエラーの概要
Jestは、JavaScriptのテストフレームワークで、特にVueやReactアプリケーションのテストに広く使用されています。テストを書く際、expect
関数を使用して、実際の出力が期待される出力と一致するかどうかを確認します。
例えば、以下のようなテストがあります。
test('adds 1 + 2 to equal 3', () => {
expect(1 + 2).toBe(3);
});
このテストは成功しますが、もし期待される値がundefined
であった場合、次のようなエラーが発生します。
Expected value to be received but got undefined
このエラーは、テストが期待する値が実際にはundefined
であることを示しています。
2. エラーの原因
1. 関数が値を返さない
最も一般的な原因は、テスト対象の関数が値を返さないことです。例えば、以下のような関数があるとします。
const add = (a, b) => {
console.log(a + b);
};
この関数は、合計をコンソールに出力しますが、値を返しません。したがって、テストでこの関数を呼び出すと、undefined
が返されます。
test('add function should return a value', () => {
expect(add(1, 2)).toBe(3); // ここでエラーが発生
});
2. 非同期処理の問題
非同期処理を行う関数をテストする際、Promiseが解決される前にテストが終了してしまうことがあります。
例えば、以下のような非同期関数があります。
const fetchData = () => {
return new Promise((resolve) => {
setTimeout(() => {
resolve('data');
}, 1000);
});
};
この関数をテストする際、Promiseが解決される前にexpect
が実行されると、undefined
が返されます。
test('fetchData should return data', () => {
expect(fetchData()).toBe('data'); // ここでエラーが発生
});
3. エラーの対処法
1. 値を返すように関数を修正する
関数が値を返さない場合、return
文を追加して値を返すように修正します。
先ほどのadd
関数を修正すると、次のようになります。
const add = (a, b) => {
return a + b; // 値を返す
};
test('add function should return a value', () => {
expect(add(1, 2)).toBe(3); // 正常に動作する
});
2. 非同期処理を正しくテストする
非同期処理をテストする場合、async/await
を使用するか、Promiseのthen
メソッドを使用して、Promiseが解決されるのを待つ必要があります。以下は、async/await
を使用した例です。
test('fetchData should return data', async () => {
const data = await fetchData(); // Promiseが解決されるのを待つ
expect(data).toBe('data'); // 正常に動作する
});
または、then
メソッドを使用することもできます。
test('fetchData should return data', () => {
return fetchData().then(data => {
expect(data).toBe('data'); // 正常に動作する
});
});
4. モック関数の使用
Jestでは、モック関数を使用して、外部依存関係を持つ関数をテストすることができます。モック関数を使用することで、テストの実行時に特定の値を返すように設定できます。
モック関数の例
以下は、モック関数を使用したテストの例です。
const myMock = jest.fn().mockReturnValue('mocked value');
test('mock function should return mocked value', () => {
expect(myMock()).toBe('mocked value'); // 正常に動作する
});
このように、モック関数を使用することで、テストの柔軟性が向上します。
5 エラーのデバッグ方法
エラーが発生した場合、デバッグを行うことが重要です。以下の方法でエラーの原因を特定できます。
1. コンソールログを使用する
テスト内でconsole.log
を使用して、実際に返される値を確認します。これにより、どの時点でundefined
が返されているのかを特定できます。
test('add function should return a value', () => {
const result = add(1, 2);
console.log(result); // ここで値を確認
expect(result).toBe(3);
});
2. Jestのデバッグ機能を使用する
Jestには、テストをデバッグするための機能があります。テストを実行する際に--watch
オプションを使用すると、変更があった場合に自動的に再実行されます。
jest --watch
これにより、テストの実行状況をリアルタイムで確認できます。
6. まとめ
「Expected value to be received but got undefined」というエラーは、Jestのテストでよく見られる問題です。このエラーの原因は、関数が値を返さないことや非同期処理の問題などが考えられます。
これらの問題を解決するためには、関数を修正したり、非同期処理を正しくテストすることが重要です。また、モック関数を使用することで、テストの柔軟性を高めることができます。デバッグ方法を駆使して、エラーの原因を特定し、効果的なテストを行いましょう。