秘密鍵の譲渡について考える

先日、こんなツイートをしたら、

魚捌く系エンジニアのおえさんにお祝いのXEMをいただいた。

このXEMは、ちゃんと妹に渡さなくては!

しかし、妹はNEMのアカウントは持っていないし、そもそも「仮想通貨って何それ?」なレベル。
さて、どうしよう。

アカウントを作ってあげる案

まず、誰しもが思いつくのは、アカウントを作ってあげて、そのアカウントに送金する案。
その後、秘密鍵を妹に教えれば完了。

もちろん問題があるよね

秘密鍵そのものの譲渡なんてものは、信用できる人同士でないと成立しない(こと今回において、成立するかは諸説あり)

渡す側(今回の礼で言えば私)が秘密鍵を妹に教えた後、それを破棄したかどうかなんて証明しようがない。渡した後に、XEMの価値がMoon↑して、私が勝手に自分のZaifのアカウントに送ってしまうかも知れない。

マルチシグを活用する案

これは、実際に行われたことのなるアイデア。(当時の資料を探したけど見つからなかった。)

  1. 私がNEMアカウント(アカウントA)を作成
  2. そのアカウントに対して、既存の自分のアカウント(アカウントB)から渡すXEMを送金
  3. 妹に自分のPCやスマホでNEMのアカウント(アカウントC)を作らせて、アドレスを聞く
  4. アカウントAをアカウントBとアカウントCの1-of-2のマルチシグ設定*を行う
  5. 妹にアカウントBをマルチシグから外させて完了

これで、秘密鍵を伝えることなく、NEMアカウントの所有権の譲渡が可能。

今回はあんまり意味なさそう

この案のメリットは、相手の情報なしにXEMを先に集めておける事。また集めるときのメッセージ等(Txの履歴)も含めて、まるっと譲渡できる。

しかし、今の環境では、何も知らない人にマルチシグの設定をさせるのは、かなりハードルが高い。

少なくともうちの妹では無理。

そもそも、これができるなら、先に妹にアカウントを作らせて、そこに送金するという方が楽。

結果、(今回の)最善の方法

  1. 妹にNEMのアカウントを作らせる
  2. アドレスを聞いて、そこに送金

結局、これがベスト。
逆に言えばこれが難しいなら仮想通貨を渡すべきではないのかも知れない。

まとめ

仮想通貨を全く知らない人に仮想通貨を送るのは、現状難しい。そもそもそういう人に秘密鍵の管理をさせるのは怖い。

ブロックチェーン/仮想通貨がより市民権を得るためには、もっと簡単に簡単にアカウントの作成ができたり、秘密鍵の管理ができるサービスが必要なのかも知れない。

例えば、ブロックチェーンであることを意識せずとも使えるウォレット。(もちろん、既存のサービスのようにパスワードを忘れたときの救済措置等も実装済み)

色々考えてみよう。

こと今回に関して

と、ベストな方法は、「アカウントを作らせる」と締めたんですが、Symbolのローンチも控えているので、それまでは私の管理で預かっておくことにしました。

シンボル付与後に、XYMも併せて譲渡しようと思います。

卒業までガチホさせます。

* 1-of-2のマルチシグ設定

二人(正確には二つのアカウント)のどちらかが署名した場合に送金やマルチシグ設定の変更が可能になる設定。通常は、流出リスクが二倍になるだけのため、1-of-2という構成はあまり使われない。
マルチシグでは、3人のうち2人が署名する必要のある2-of-3や、2人のうち両方が署名の必要のある2-of-2などがよく使われる。参考(https://nemtech.github.io/ja/concepts/multisig-account.html#multisig-account)


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